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2011年4月19日火曜日

ストロンチウム 生物学的半減期

ストロンチウム 生物学的半減期 - ストロンチウム90とセシウム137はどちらも半減期が30年前後と長いようですが、もし...

ストロンチウム90とセシウム137はどちらも半減期が30年前後と長いようですが、もしこの二つが体内に入ってしまった場合、 この二つは半減期を迎えるまでの30年程ずっと体内で蓄積されるのでしょうか?汗や尿で排出される事はあるのでしょうか?

またヨウ素131は半減期が8日と短いのですが、もしこのヨウ素131を水道水などで微量ながらも毎日摂取した場合、これもまた体内に蓄積されるものとなるのでしょうか?甲状腺に異常をきたすようになるのはこの半減期内にあるヨウ素が国の基準を超えたような場合のみになりますでしょうか、それとも半減期を過ぎていても蓄積されるのであればそのヨウ素も含めての量が基準値を超えた時に有害になるのでしょうか?


携帯からなので見辛い点もあるかと存じますが、これについての知識のある方、どうぞ教えて下さいませ。
宜しくお願い致します

ベストアンサーに選ばれた回答
maindenheadさん

体内に摂取された放射性元素は代謝によって体外に排出されていきます。代謝によって量が半分になるまでの時間を、生物学的半減期とよびます。

セシウムの生物学的半減期は90日強と言われています。ですから30年間ずっと体内にあって放射線を出し続けるわけではありません。

ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が似ているため、骨の中にとりこまれます。取りこまれてしまうとなかなか排出されず、生物学的半減期は約50年とされています。ストロンチウムの物理学的半減期(放射性崩壊で別の元素に変わって行く)は28.8年ですから、1/(1/50+1/28.8) で、約18年で体内に取り込まれたストロンチウムの量が半分になることになります。

日本人の場合、ヨウ素の生物学的半減期は40日程度であると言われています。ですからヨウ素131に関する被ばくの影響を考えるときには生物学的半減期はあまり考えなくてもよいことになります。
六号通り診療所所長のブログから転載します。 放射性ストロンチウムの内部被曝について分かりやすく解説されています。
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こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

 今日は胃カメラの日なので、カルテの整理をして、それから今PCに向かっています。

 それでは今日の話題です。

 今日は今のところはまだ、取り上げられることの少ない、放射性ストロンチウムの内部被曝についての話です。

 放射性ストロンチウム90は、セシウム137や134と共に、原子炉から放出される可能性のある、放射性元素です。

 その量は放射性ヨードと比較すれば少ないのですが、内部被曝の場合、ストロンチウムは骨に取り込まれて、長期間排泄されません。そのため骨への被曝の影響が危惧される点と、セシウムと同じように放射線の半減期が長いので、環境を長期間に渡り汚染し続ける、と言う点が大きな問題です。

 ストロンチウム90の物理学的半減期はおおよそ29年、つまりその放射能は、29年経ってようやく半分になります。その一方で、ストロンチウムの生物学的半減期は50年余です。つまり、一旦人間の身体に入ったストロンチウムは、50年が経過しても、まだ半分しか排泄されません。

 ただ…この半減期はおそらく、身体に入ったストロンチウムが、100%一旦は吸収される、という仮定に立った計算だと思います。以前チラとお話したことがありますが、僕は大学にいた時に、ストロンチウムを利用した、カルシウムの吸収の研究をしていたことがありました。

 ストロンチウムはカルシウムに、非常に良く似た性質を持っています。これはセシウムとカリウムの関係に似ています。セシウムもストロンチウムも、通常は人間の身体には存在しない元素で、それがないことが、人間にとっては当たり前の環境です。

 そのため、人間の身体は、セシウムとカリウムを区別することが出来ず、同じようにストロンチウムとカルシウムを区別することが出来ません。従って、人間が口からストロンチウムを摂取すると、そのストロンチウムはカルシウムとほぼ同じように、腸管から吸収されます。

 僕はカルシウムの吸収を調べる目的で、ストロンチウム(勿論放射線は放出しないものです)を、一定量の食事と一緒に飲んでもらい、その後4時間の身体へのストロンチウムの吸収量を、
測定しました。口から入ったストロンチウムは、30分後には血液への移行が始まり、その吸収は概ね4時間でプラトーに達するからです。4時間後の血液を取り、そのストロンチウム濃度を、
原子吸光という方法で測定するのです。その濃度から、どれだけのストロンチウムが腸から吸収されたのかを、計算します。

 この検査を僕は延べ300人以上に行ないました。多分日本でこれだけ多数の人数で、ストロンチウムの代謝を調べた研究者は、僕以外にはいない筈です。

 論文にして投稿をし始めた頃に、大学を辞めてしまったため、その結果が形になっていないのが、残念でなりません。

 その結果を簡単にご説明すると、カルシウムとほぼ同じ動態で、ストロンチウムは吸収されますが、その吸収率は概ねカルシウムの半分程度です。

口から入ったカルシウムのうち、吸収されるのは30%程度で、ストロンチウムの吸収はその半分の15%くらいです。僕自身のデータなので、本に書いてあるものとは、少し違うと思います)

 これがたとえばビタミンDが多い時や、副甲状腺ホルモンが高い時には、カルシウムの吸収も通常の倍近くになり、またストロンチウムの吸収も、同じように倍近くになります。ただ、どんなに頑張っても、概ねカルシウムの吸収率が5割を超えることはなく、従ってストロンチウムの吸収率も、25%を超えることはありません。

 従って、骨に移行するストロンチウムは、多い状態で摂取量の4分の1、通常の状態では摂取量の1~2割です。一般の換算係数は、これをもっと多く見積もっています。従って、ストロンチウムの内部被曝の影響は、換算されているものよりは、かなり少ないのではないか、というのが僕の推論です。これはあくまで経口の場合の話ですが、ベクレルとシーベルトの換算係数を見ると、吸入は経口と比してかなり被曝量が低いので、いずれにしても内部被曝は少ないと、想定して良いのではないかと思われます。それでは、骨に取り込まれたストロンチウムは、一体どのような影響を、身体に与えるのでしょうか?


②に続く
 
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